これは料理を作る上では必ず知っておいてほしいことなんダ。
怖いネ~。
筋クマ 今回は出汁についての講座だヨ。 和食と言えば出汁! 知るだけで料理のレベルがぐ~んと上がるような出汁知識をいっぱい教えるネ! ↓第1回は醤油についてです。 [sitecard subtitle=関連記事 u[…]
食中毒って何だろう
食中毒と言っても、その原因は様々です。
食中毒の原因となるものが食べ物に付着し体内へと侵入することで、
腹痛・発熱などの多岐にわたる症状が現れます。
今回この講座内では、細菌性食中毒とウイルス性食中毒の2つに絞ります。
(他には毒キノコなどの自然毒、寄生虫などがありますネ。)
ウイルス性食中毒・・・・・・ノロウイルスなど
自然毒・・・・・・・・・・・フグ、二枚貝、毒キノコなど
化学物質・・・・・・・・・・ヒスタミン、漂白剤など
寄生虫・・・・・・・・・・・アニサキスなど
食中毒が多い季節
結論から申しますと、食中毒は一年中発生しています!
「暑いところに食べ物を置きっぱなしにしていると危ない」と言うことは、
皆さん知識としてあると思います。
ですが食中毒は、5月頃から急激に増えます。
その頃梅雨で湿気が高く、気温もぼちぼち高いですよね?
これが細菌が最も好む季節なのです。
温度・・・20~50℃で繁殖しやすい。徹底した温度管理を。
水分・・・調理器具や食器、洗った食材の水分はしっかり拭き取る。
栄養・・・食品自体や料理器具に付着した食品汚れに注意。
カンピロバクター
この菌の特徴は、ほんの少し菌が体内に入るだけで食中毒を発症させる点と、
潜伏期間が長いという点です。
(食べて1週間後に発症するケースもあり。)
鶏肉など
発熱、頭痛、腹痛、下痢など
2~7日間
・肉の生食は避ける
・まな板の使い分け
【補足】ギランバレー症候群(難病)について
「ギランバレー症候群」とは、手足のしびれや脱力感、重症化すれば自力で立つことさえ困難になる末梢神経の障害です。
最悪の場合、呼吸も困難となり死に至ることもあります。
この病気は原因が定かでないものが多いですが、
カンピロバクターに感染することが引き金となって発症するケースがよく見られます。
ギランバレー症候群は後遺症も残り、治療も簡単なものではありません。
鶏肉の生食は極力避けたいですね。
(カンピロバクター感染者のうち1000人に一人ぐらいの確率で発症すると言われています。)
サルモネラ菌
卵の生食で子どもが死亡した例もあります。
乳幼児、高齢者、妊娠中の方など、免疫が低下している可能性がある人は、
極力卵の生食は避けてください。
熱には弱い菌ですので、正しく加熱調理すれば安心です。
また、ペットとの激しいスキンシップが原因で感染することもありますので、
ペット愛好家の方は気を付けてください。
(ハムスターとのキスも注意!)
卵など
症状
発熱、腹痛、嘔吐、下痢など
潜伏期間
6~48時間
・卵を扱った手指や調理器具の洗浄。
・ヒビ割れた卵や賞味期限切れの卵の生食は避ける。
【補足】「in egg汚染」について
この場合、卵がパック詰めされる前に表面は洗浄されますので、
スーパーなんかで売られている卵はほぼほぼ大丈夫なのかもしれません。
しかし、ごく稀に卵巣なんかが汚染されているのが原因で、
卵の中にサルモネラ菌が潜んでいる場合があります。(in egg汚染)
この場合は、いくら表面を洗浄しても意味がなく、どうしようもないと言うことです。
日本の卵は限りなく安全です。
ただニワトリも生き物なので絶対はありません。
1日でも賞味期限を過ぎてしまったら必ず加熱調理してください。
腸炎ビブリオ
この菌は塩が大好きで海水に多く潜んでいます。
なので魚介を生食することで感染し、発症するケースが多いです。
真水に弱い菌なので、魚や貝は一度表面をしっかり流水で洗ってからまな板に乗せましょう。
加熱を十分にすれば大丈夫ですが、生焼けの魚が原因で腸炎ビブリオを発症したという事例も過去にあります。
また、洗浄が不十分だったまな板で野菜を切り、それを浅漬けにしたことで起きた事故もあります。
塩が大好物ですから浅漬けで大繁殖したのでしょうね。
原因となる主な食品
魚介類など
症状
腹痛、下痢など
潜伏期間
8~24時間
予防
・魚介類を扱った調理器具の洗浄
・まな板の使い分け
腸管出血性大腸菌O157
この菌が何よりも怖いところは、体内で「ベロ毒素」という強力な毒を生み出すことです。
これにより抵抗力の弱い乳幼児、高齢者などは重篤な後遺症を残す「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を併発します。
過去にレバ刺しが原因で取り返しがつかない事故が起こりましたが、加熱十分の牛肉が要注意です。
牛タタキやローストビーフを作る際は、必ず新鮮さが保証されているものを使ってください。
外食で食べる際も、信頼できるお店でのみ食べるようにしてください。
原因となる主な食品
牛肉など
症状
発熱、腹痛、下痢、血便など
潜伏期間
3~8日
予防
・肉の生食は避け、しっかり加熱
・食品の温度管理の徹底
【補足】低温調理の危険性
近年、低温調理が流行しています。
僕が某レシピサイトで低温調理レシピを確認した所、低温調理に関するレシピが多く散見されました。
しかし、その中には明らかに食中毒のリスクを意識していないレシピもあり、
非常に危険だなと思いました。
必ず専用の低温調理器を用い、取扱説明書をしっかり読んでください。
低温調理に関しては、レシピのアレンジは危険です。
(O157だけでなく他の食中毒のリスクもありますネ。)
黄色ブドウ球菌
健康な人でも体のどこかには潜んでいるであろう菌です。
特に人や動物の化膿創を好みます。
手荒れした手のひらなんかにも多くいますので、
出来る限り食品を直で触らない方がいいのはそのためです。
おにぎりやサンドイッチを作る際は、必ずビニル手袋をはめるなど工夫してください。
また、黄色ブドウ球菌の潜伏期間は短く、早くて食後30分で症状が出る場合もあります。
食べてすぐの腹痛や吐き気、下痢はコイツの仕業かもしれませんね。
原因となる主な食品
おにぎり、サンドイッチなど
症状
腹痛、嘔吐、吐き気など
潜伏期間
30分~6時間
予防
・手指の洗浄、消毒
・食べ物を直で触らない(絆創膏NG)
ボツリヌス菌
土壌や河川、動物の腸管など広くに存在していますが、
空気が無い所でどんどん増殖していきます。
また、熱に耐性がある殻に閉じこもり、加熱しても死なないたちの悪いやつです。
(偏性嫌気性菌で芽胞形成菌)
缶詰なんかが危険で、パンパンに中から膨れ上がった缶詰は絶対に食べないでください。
中でボツリヌス菌が繁殖している可能性があります。
過去には真空パック入りのからしレンコンでも事故が起こりました。
原因となる主な食品
発酵食品、缶詰など
症状
吐き気、嘔吐、言語障害、嚥下障害、視力障害など
潜伏期間
8~36時間
予防
・膨張した缶詰や真空パック入りの食品は食べない
・食材の十分な洗浄
【補足】赤ちゃんにハチミツは絶対NG
ハチミツを赤ちゃんに食べさせてはいけないという話を聞いたことはあると思います。
それは正にこのボツリヌス菌のせいなのです。
ハチミツにはボツリヌス菌が含まれていることがあり、
腸内環境がまだまだ整っていない赤ちゃんが食べてしまうと、
腸内でボツリヌス菌が増殖し、「乳児ボツリヌス症」を発症します。
まれに亡くなることもある病気で、1歳未満の赤ちゃんには絶対にはちみつを食べさせてはなりません。
また、上でも述べた通り、ボツリヌス菌は熱には強いです。
ハチミツ入りの加熱したお菓子なんかでもいけません。
ウェルシュ菌
ボツリヌス菌と同じで、空気が無い所でどんどん増殖します。
カレーやシチューなどの大量煮込み料理が要注意で、
煮込むことで鍋底の酸素濃度はどんどん低くなります。
そうなればウェルシュ菌が大好きな環境になってしまいます。
ですから、煮込みながら料理をかき混ぜることが大きな意味を成します。
カレーやシチューなどが入った鍋は、
すぐに氷や流水で荒熱を取り、冷蔵庫にしまってください。
常温放置は本当に危険です。
原因となる主な食品
カレー、シチュー(煮込み料理)など
症状
腹痛、下痢など
潜伏期間
6~18時間
予防
・前日調理は避ける
・加熱調理したものはすぐに食べる
・鍋に残った料理はすぐに荒熱を取り冷蔵庫へ入れる
ノロウイルス
ノロウイルスは冬場になるとよく耳にする名前だと思います。
牡蠣なんかの二枚貝の生食が原因で感染します。
このノロウイルスは、とにかく感染力が高いです。
なんとたった数十個のウイルスが体内に入るだけで感染・発症するのです。
また、「二次感染」も大変起こりやすいです。
感染者の嘔吐物や排泄物の処理には細心の注意を払ってください。
家庭内に感染者が出た場合、家のあらゆる箇所の消毒が大切となります。
ただし、アルコールは効きません。
必ず塩素系漂白剤での消毒を行ってください。
原因となる主な食品
生カキ(二枚貝)など
症状
発熱、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢など
潜伏期間
12~48時間
予防
・手洗いの徹底
・調理器具の洗浄
・加熱調理の徹底
食中毒の予防まとめ
食中毒予防の3原則は、「付けない、増やさない、やっつける」です。
食中毒の原因菌を「つけない」
・調理前の手指の正しい洗浄
・まな板の使い分け(お肉を切ったまな板で野菜を切らない)
食中毒の原因菌を「増やさない」
・食品や残った料理はすぐに冷蔵庫へ
食中毒の原因菌を「やっつける」
・しっかり加熱
・手指や調理器具、調理台の洗浄
・アルコール消毒、塩素系漂白剤の使用
まとめ
食中毒は身近に潜む危険の一つです。
楽しいはずの料理で取り返しのつかない悲劇が起こりかねません。
しかし食中毒の正しい知識を得ることで、
それらを限りなく予防することは可能です。
料理をする人は、自ら作った料理を安心して食べてもらわなければなりません。
特に小さな子どもや高齢者、妊婦さんなんかにとっては命に関わる問題です。
また、もし仮に「食中毒かな?」と思うような症状が自分や周りの家族に見られたら、
医師の診断を受けずに市販の薬を服用したりすることは避け、
早めに医師の診断を受けるようにしましょう。
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