北九州で古くから有名な鰻料理専門店「田舎庵」
「田舎庵(いなかあん)」は、北九州に住んでいれば知らない人はいない昭和元年創業の老舗の鰻料理専門店です。伝統的な鰻の調理法が基本にありつつも、常に時代にあった味と感覚を楽しめる田舎庵の鰻料理は、幅広い年代や海外の人々さえ虜にします。
今回、僕たち夫婦が訪れたのは小倉本店。新幹線が停まる駅としても知られるJR小倉駅からは、歩いて約5分です。アクセスが良好なので、県外から出張で訪れるサラリーマンも思い出作りのために一人で訪れることも。
最近では、北九州が戦いの舞台となった将棋の第36期竜王戦七番勝負第3局で、田舎庵の鰻重が「勝負めし」のひとつとしても選出され話題になりました。過去には「情熱大陸」「YOUは何しに日本へ?」などといった大人気テレビ番組でも紹介されています。
定休日:無休(年末年始・春秋連休・その他不定休あり)
営業時間:11:00~20:30(20:00LO)
TEL:093-551-0851
アクセス:JR小倉駅より徒歩5分
リンク :食べログ/ぐるなび/公式HP
住所 :福岡県北九州市小倉帰宅鍛冶町1-1-13
小倉本店を訪れる以外に田舎庵の鰻料理を味わう方法は?
北九州市内であれば配達が可能であることも
「北九州市内の田舎庵小倉本店から直線距離20km未満(山口県は不可)」かつ「税込2,000円以上の注文」の条件を満たせば、自宅や職場でお店と変わらない田舎庵の味を堪能できます。ただし距離に応じて配達料が別途必要ですので注意しましょう。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
博多阪急のお持ち帰り専門店や台湾に海外姉妹店もあり
JR博多シティ内にある「博多阪急」の地下1階には、お持ち帰り専門である田舎庵博多阪急店があります。小倉本店と変わらない味の「せいろ蒸し弁当」やここでしか味わえない「鰻チラシ弁当」が人気です。博多に旅行で訪れた際の、帰りの電車内で食べるお弁当にはうってつけですね。
また台湾の台北には海外姉妹店として田舎庵小倉屋があります。台湾在住の方でぜひ興味を持たれた人は、足を運んでみてください。
ネット注文で全国どこでも田舎庵の鰻を味わえる
実際にお店に足を運べない人には田舎庵のオンラインショップがおすすめ。田舎庵のこだわりが詰まった鰻の味を全国どこでも味わえます。
蒲焼きは出荷当日に焼いたものが冷蔵便で送られてくるので、きっと満足できるでしょう。ほかにも名物の柚子辛子明太子や鰻茶漬けにも人気で、贈答品や詰め合わせセットも用意されているので注目です。
「黒崎田舎庵 日日屋」は別物なので注意
JR黒崎駅から徒歩5分のところに「黒崎田舎庵 日日屋(ひびや)」という鰻料理専門店があります。こちらは田舎庵小倉本店の三代目料理長・緒方氏の弟さんが立ち上げたお店であり、料理の値段だけでなく味の違いもあるので注意が必要です。
小倉本店は鰻本来の味を楽しめるタレの甘さが魅力なのに対し、日日屋のタレは食欲を刺激するしっかりとした甘さが特徴。ただしどちらもミシュランガイドのビブグルマン掲載店であるため、真の鰻好きであるならばどちらのお店にも訪れてみましょう。
いざ入店!
JR小倉駅(小倉城口)からモノレール沿いを歩き、モノレール平和通り駅を目指します。そこから鍛冶町の方へ進むと、田舎庵はすぐ左に。
高級感が溢れる入口です。きっと僕たちを鰻がニョロニョロと待っているはず!
それでは早速入店してみましょう。
「予約のキンクマ」ですと伝えると、慣れた接客で1階奥のテーブル席へと案内されました。清潔感があり、落ち着いた雰囲気の店内が心地良いです。
ちなみに2階には30人ほどが利用できる大広間や個室があります。この日、1階では僕たちの他にデートで利用しているカップルや仕事帰りのサラリーマンが一人で食事に来ていました。ほかにも6名ほどで楽しそうに飲み会をやっている光景も。
天然鰻が食べられるのは例年5~11月ごろ
天然鰻を食べたい場合は、夏ごろに訪れるのが確実でしょう。ただし当然数に限りがあるので、絶対に天然鰻に出会えるとは限りません。
しかし当日であれば、入荷量が十分な場合に限り取り置き対応をしてくれるそうなので、まずは電話が確実です。僕たち夫婦が訪れたこの日は10月下旬でしたが、残念ながら天然鰻に出会うことは叶いませんでした。
今回は夫婦そろって「鰻重 梅」を注文。さらに一品料理から「肝焼」「う巻き」も注文しました。
今日のメイン「鰻重 梅」が到着
待つこと約20分。ついに僕たちの前に鰻が姿を現しました。
この見事な焼き色を見てください。もう我慢できないので早速食べてみましょう。
うん、皮目のパリッとした食感と中のふっくらした食感の対比がたまりません。田舎庵の特徴でもある蒸さずに地焼きのみを行う調理法により、確かに鰻の旨味が凝縮されていました。しかも甘さ控えめのタレが、蒲焼きの味をより引き立てているんです。
香ばしい風味で食欲を掻き立てる「肝焼き」
肝焼きは、コリッコリの食感がサイコーです。香ばしい風味が口いっぱいに広がり、とても贅沢な気分になれますね。当然ですが、嫌な臭みなんて少しもありません。
ボリュームも十分「う巻き」
う巻きにも色んなタイプがありますが、田舎庵では刻まれた蒲焼きがたっぷりと出汁巻きに巻かれていました。出汁巻きは上品な味わいで、香ばしく焼けた鰻の風味とよく合います。
2~3人前と書かれていましたが、すでに奥さんはお腹いっぱいになっていたので、僕がほとんど一人で完食しました。ちなみに近くに座っていた普通体型の男性も鰻丼とは別にう巻きを平らげていたので、鰻好きなら簡単にペロリといける量だと思います。
ごはんのおかわりが可能
そしてなんと、ごはんのおかわりが無料なんですよね。「鰻重のおかわりって、どうするんだろう?」と思いましたが、別の椀に入ってごはんが運ばれてきました。
結局僕は、大盛りごはんを2回おかわりし、さらに奥さんが食べきれなかった分のごはんも食べたのです。田舎庵のごはんは国産コシヒカリであり、さらに炊き加減が本当に絶妙。鰻に合うように計算され尽くしています。
ごちそうさまでした!
田舎庵の3代目料理長である緒方弘さんは、「鰻に火を食べさせる」という表現を使っていますが、今回その意味を理解することができました。他店の鰻の蒲焼きと比べて、皮目のパリッとした食感がとくに際立っています。
鰻のゼラチン質の皮が焼き切れることで、人間は鰻本来の味に集中できるようになるのでしょう。鰻の新たな一面を感じてみたい人は、ぜひ田舎庵に足を運んでみてください。
お手数ですが、
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