料亭では定番の海老しんじょ椀をお家で作ろう
「しんじょ(真薯)」とは、主にエビ・カニ・白身魚・鶏肉などをすり身にし、山芋や卵白などのつなぎを加えて作る練り物のことです。今回は数あるしんじょのなかでも定番のエビを使い、さらにしんじょを贅沢にお吸い物に落とした「海老しんじょ椀」を作ってみようと思います。
日本料理店ではよく見かける料理ですが、実は作り方自体はそんなに難しくありません。見た目も華やかでおもてない料理にもぴったりなので、ぜひこの記事を参考にチャレンジしてみてください。
・海老しんじょの作り方を覚えよう!
・「卵の素」とは?その作り方と役割を覚えよう!
・吸い地の作り方を覚えよう!
ハムスターのお吸い物だヨ✨
とってもふわふわで可愛いネ🤤🐹#おうちごはん pic.twitter.com/8quy19HaHq
— キンクマ主夫@料理家ハムスター (@kinkumashuhu) January 24, 2025
お料理開始 Let’s Cooking!!
エビをミンチ状にする
今回は手に入れやすいバナメイエビを使います(冷凍の剥きエビでも可)。日本料理のお店ではクルマエビとシバエビを混ぜて使うこともありますが、なかなか高価で簡単には手に入りません。
まず殻を剥いたエビの背ワタを取り、一部のエビを粗みじん切りにしましょう。これを最後に混ぜ、エビの食感を出します。
残りのエビはフートプロセッサーで完全にミンチ状にします。ある程度エビの形がなくなったタイミングで塩をひとつまみ加え、さらに粘り気が出るまでフートプロセッサーにかけてください。粘りが出たら手で千切ったはんぺんと出汁少々、みりんも加えます(あれば魚のすり身を使いましょう)。


「卵の素」を作る
次に「卵の素」と呼ばれるものを混ぜ、さらにフートプロセッサーで攪拌します。卵の素はしんじょを始めとした練り物に混ぜることが多く、卵の素が加わることでコクがプラスされ、ふっくら仕上がります。
卵の素は卵黄1個に対し、サラダ油大さじ2程度をゆっくり加えながら、しっかり混ぜて乳化させるだけ。若干白っぽくなって、マヨネーズ状にとろみがついたら成功です。


しんじょは蒸して仕上げる
生地に最初に粗みじんにしておいたエビを混ぜ込んだら、いよいよ成形です。水で濡らした手で、がんばって丸めてください。どうしても手で丸めにくいなら、お玉を2つ使って成形しましょう。
しんじょはクッキングシートを敷いたバットの上に並べ、15分ほど蒸します。強火でぐつぐつ沸いている状態より少し火を落とし、フタを少しずらして蒸すと、ちょうどいい温度になります。レシピによっては八方出汁で煮て火入れする場合もありますが、しんじょは蒸して仕上げるのが一番ふっくらして旨味が逃げません。


椀妻も丁寧に処理
今回椀妻(吸い物の脇役)には、しいたけと小松菜を使います。家で作る場合は吸い地でまとめて煮て仕上げるのが簡単ですが、日本料理のお店では食材ごとに処理します。
しいたけは、出汁に少量の薄口醤油を加えたものを火にかけ、沸騰直前にしいたけを加えて火入れ。小松菜は塩を適量入れて沸かしたお湯に根元からサッとくぐらせ、30秒ほどしたら冷水に落とします。完全に粗熱が取れたら水気を絞って適当な大きさに切りましょう。



吸い地を作る
吸い地は一番出汁を火にかけ、沸く直前に塩と酒を加えて作ります。塩の量は味を見て、自身が美味しいと思える量にしてください。仕上げに薄口醤油を加え、香りづけしたら火を止めます。
一番出汁がなければ、いつもご家庭で使っている和風出汁でも問題ありません。白出汁やいりこ顆粒出汁を使ってください。
椀にしんじょとしいたけ、小松菜を盛り、吸い地をかけて完成です。あれば柚子皮や輪切りしたすだちも入れましょう。
完成 It’s ready to eat!!
わずかにいい出汁の匂いが漂ってきますね。
それでは熱々のうちに早速食べてみましょう!
モグモグモグ……
しんじょが驚くほどふわふわで、粗みじんにして混ぜ込んでおいたエビのプリプリ食感が絶妙なアクセントです。お吸い物もいい塩加減で、まるで料亭に来たかのような気分になれます。
しんじょはお吸い物以外にも揚げても美味しいですし、エビ以外にもカニやハモ、鶏肉、タケノコなど、バリエーションもさまざまです。ぜひみなさんもこの記事を参考に、しんじょの世界を広げてみてください。
レシピ Recipe!!
<材料>4人分
海老しんじょ
バナメイエビ・・・・120g(正味)
はんぺん・・・・・・100g
塩・・・・・・・・・少々
みりん・・・・・・・小さじ1弱
出汁・・・・・・・・大さじ1(生地の固さをみながら調整)
卵の素
卵黄・・・・・・・・1個
サラダ油・・・・・・大さじ2
吸い地
一番出汁・・・・・・3カップ
塩・・・・・・・・・適量
酒・・・・・・・・・大さじ1
薄口醤油・・・・・・小さじ1
椀妻(メイン以外の具材)
しいたけ・・・・・・4個
小松菜・・・・・・・1/2本
柚子皮・・・・・・・適量
下準備など
- 冷凍の剥きエビを使っても問題ありません。
- 一番出汁がなければ、普段使っている市販の白出汁や顆粒いりこ出汁を使ってください。
- しいたけと小松菜の丁寧な下処理は記事本文をご覧ください。ご家庭で作る場合は(7)で、酒と塩を入れるタイミングでしいたけを加えます。さらにしいたけに火が入ったタイミングでカットした小松菜を加え、薄口醤油で味を決めます。
手順
1,殻を剥いたエビの背ワタを取り、3匹ほどは粗みじん切りにする。
2,残りのエビをフードプロセッサーにかけ、ある程度ミンチ状になったタイミングで塩を加える。
3,粘り気が出るまでフードプロセッサーにかけたら、手で千切ったはんぺん、みりん、出汁を加え、さらに攪拌。
4,卵の素を加えてフードプロセッサーにかけ、しっかり混ざったら(1)の粗みじんしたエビを混ぜ込む。
5,水で濡らした手で4等分した(4)を丸め、クッキングシートを敷いたバットの上に並べる。
6.(5)を蒸気が立ち上る鍋のなかで蒸す。強火でぐつぐつ沸いている状態より少し火を落とし、鍋のフタを少しずらした状態で15分。
7,吸い地を作る。一番出汁を鍋に入れて火にかけ、沸騰直前に塩と酒を加える。仕上げに薄口醤油で香りづけする。
8,(6)を椀に盛り、(7)をかけて完成。
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