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【写真解説付き】春の名物「ノビル」を採って美味しく料理しよう【見分け方&よく似た毒草は?】

キンクマ
ノビルはどこにも生えている野草だヨ。

 

ノビルとは?

春の山菜といえば、真っ先につくしやワラビを思い浮かべる人も多いと思いますが、「ノビル」の存在を忘れてはいけません。ノビルはおもに日当たりのよい道端や公園といった、人の生活圏内でも簡単に見ることができる春の代表的な野草なのです。

ネギやにんにくと同じヒガンバナ科に属する植物で、その見た目も香りもそっくり。とくにぷっくり膨れた球根は、生で食べると独特の風味・食感・辛みを感じることができ、多くの食通をうならせてきました。ノビルは特徴さえ覚えれば採取は簡単な山菜なので、ぜひこの記事を読んでノビル採りに行ってみてください。

 

今回のポイントや見どころ
・ノビルの特徴を覚えよう!
・ノビルの調理の仕方を覚えよう!

ノビルが生える場所・時期は?

ノビルは日本全国の野山・土手・道端・公園など、日当たり良好の場所であれば比較的どこでも見ることができます。

1年中見かける植物ですが、美味しく食べることができる時期は3~5月。葉がもっとも柔らかく、球根も香り高いです。この時期に、できる限り根元が太い立派なノビルを収穫するようにしましょう。

 

キンクマ
ノビルは春の山菜の代表だネ。

 

 

ノビルの見分け方は?

ノビルの一番の見分け方は、実際に葉を途中で千切ってみて断面の香りを嗅ぐことです。慣れないうちは必ず独特の「ネギ臭」がすることを確認してください。

また根元に注目してみると、縦すじの入った白い薄皮があるのも特徴のひとつです。さらに千切った歯の断面を見てみると、「く」の字状(潰れたストロー状とも表現される)になっているのも見分けるポイントですね。ほかにもノビルは球根にも特徴があるので、実際に筆者が掘り起こしたときの写真にも注目してみてください(調理中の球根の様子はコチラ)。

 

キンクマ
ノビルは元気よくまっすぐ伸びるんじゃなくて、途中でぐにゃっと折れ曲がっていることが多いネ。
根元の白い薄皮には縦すじがある
上の方はぐにゃりと折れ曲がり、先っぽは枯れていることが多い

 

ノビルと間違われやすい毒草は?

「スイセン」の誤食は毎年のように発生

過去にはスイセンを食べたことで、死亡事故が起きたことも。ニラと間違えてスイセンを誤食するケースが多いですが、ノビルと同じ環境にスイセンも生えているので、ノビル採りをする際にも気をつけましょう。

葉の形・球根の形状など、ノビルとスイセンは大きく異なります。またノビルにある独特の「ネギ臭」は、スイセンにはありません。

 

キンクマ
ノビルに似ている食べられる野草でいうと、ニラ・アサツキ・わけぎ・らっきょうなんかも野生で見かけることがあるから、事前に調べておくといいネ。

 

ノビル採りに必要な道具は?

スコップ

ノビルを掘り起こす際に必要です。100円ショップで買えるクオリティで十分でしょう。

軍手

トゲのある草木で、思わぬケガをすることがあります。手指の汚れも抑えることができるので、できる限り軍手を装着してノビル採りを楽しみましょう。

洗濯ネット

ノビルを持ち帰る際に使います。ビニル袋でもかまいませんが、葉の部分が萎れやすいです。

 

ノビルを掘り起こそう

ノビルを掘り起こす際には、スコップと軍手があると安全安心です。可食部である球根は傷つきやすいため、少し離れた場所から丁寧に掘り起こしていきましょう。土壌の状態によっては手で引っ張るだけで、簡単に抜けることもあります。

またスコップで掘り起こした際は、必ず掘った場所を埋め戻すようにしてください。ほかの人が躓いて転ぶ原因になります。

 

キンクマ
山菜採りはマナーを守ってネ。
根元が太いものは球根も大きい

 

ノビルの持ち帰り方は?

掘り起こしたノビルは、近くに水道がある場合は、その場で球根を中心に洗っておくと後々便利です。洗える環境がない場合は、球根部分だけをまとめてビニル袋で覆ってあげてください。汚れたままノビルを丸ごと袋に入れると、葉の隙間にまで汚れが入ってしまい、持ち帰ってからの下処理が面倒になります。

また葉の部分は、ビニル袋の中に入れておくとすぐに萎れてしまいます。通気性のよい洗濯ネットに入れて持ち帰れば、鮮度を維持できるのでおすすめです。

 

キンクマ
ビニル袋に入れると蒸れちゃうネ。

 

お料理開始 Let’s Cooking!!

ノビルは葉の部分と球根の部分で分ける

持ち帰ったノビルは、葉の部分と球根の部分で分けます。とくに決まりはありませんが、筆者は葉の緑と球根の白の境目あたりで分けました。

 

キンクマ
ハサミを使ってチョキンするのがオススメだヨ。

 

ノビルの葉の下処理

根元の汚れた薄皮を剥き、枯れた葉を切り落とします。すべてこの作業を終えたら、流水でしっかり洗って水気を切りましょう。

 

ノビルの根の下処理

洗った球根の根元にある、ひげ根を切り落とします。さらに薄皮があるので、剥いてあげてください

 

キンクマ
可愛いフォルムだネ。

 

ノビルの球根を観察

ノビルの球根をよく観察すると、大きな球根に小さな球根がくっついているのが分かると思います。実はノビルはタネを作らずに、分球と呼ばれる方法で仲間を増やすのです。

この小さな球根がくっついてあるのを現地で確認できたら、それをとって再び地中に戻してあげてください。またそこから新たなノビルが生えてきます。

 

キンクマ
このようにノビルは生命力が強い植物だけど、必要以上に収穫するのはダメだヨ。

 

辛みが苦手な人は湯通しを

ノビルは球根まで生食可能ですが、今回はサッと湯に通します。湯通しすることで、特徴的な辛みを少し飛ばすことができます。ただしにんにくや生の玉ねぎが好きな人は、ぜひ生食で。

20秒ほど加熱したら、ザルにあげて冷水に落とします。あまり冷水に落とし過ぎても香りが飛ぶので、粗熱が取れたらすぐに水気を切りましょう

 

キンクマ
ボクの奥さんは生の玉ねぎが苦手ネ。

 

ノビルの辛子酢味噌和え

球根の部分で、辛子酢味噌和えと天ぷらを作ります。ほかにも醤油漬けやマヨネーズをかけて食べるなど、おすすめの調理法はいっぱい。

辛子酢味噌は、白味噌・酢・砂糖・練り辛子・アルコール分を飛ばした酒とみりんを混ぜ合わせて完成。それをノビルと和えます。

 

キンクマ
辛子酢味噌は綺麗なキンクマ色だネ。

 

ノビルの出汁巻き卵

葉の部分は、刻んでネギと同じように使うのがおすすめです。とくにある程度成長したノビルの場合、丸ごと食べようとすると歯切れが悪いので注意しましょう。今回は刻んだノビルをたっぷり出汁巻きに混ぜます。

 

キンクマ
味噌汁の薬味に使うのもオススメだヨ。

完成 It’s ready to eat!!

 

ノビル料理が完成しました。
この日、実はほかの山菜も採ってきたので、豪華な山菜フルコースとなっています。
さあ、それでは早速食べてみましょう!

 

モグモグモグ……

 

まずはノビルの辛子酢味噌和えですが、やはり安定の美味さ。にんにくに似た香りが鼻を抜け、シャキシャキ食感がたまりません。辛子酢味噌との相性はやはり抜群。

続いて出汁巻きですが、これはネギ入れの出汁巻きとほぼ同じ仕上がりです。つまり間違えのない美味さ。あっという間に平らげました。

最後にノビルの球根の天ぷらですが、これは中々にサイコーです。山菜の天ぷらって、結局香りが飛んでしまうことが多いのですが、ノビルはちょうど良い具合に香りが残ってくれます。ぜひノビルを味わったことがない人は、この記事を参考にノビル採りを事故やケガなく楽しんでみてくださいね。

 

キンクマ
自然の恵みに感謝だネ。
キンクマの奥さん
酒がうめぇ。

レシピ Recipe!!

ノビルの出汁巻き

<材料>2人分

卵・・・・・・・・・3個

(A)出汁・・・・・・・・90ml
(A)薄口醤油・・・・・・小さじ1/2
(A)塩・・・・・・・・・少々
(A)砂糖・・・・・・・・大さじ1/2(お好みで)

ノビル・・・・・・・たっぷり(葉の部分を刻む)

手順

1,卵をボウルに割り、白身と黄身をしっかり混ぜる。
2,(A)を加え、しっかり混ぜる。
3,油を引いた卵焼き器を十分熱し、(2)を適量流し込む。
4,卵が巻ける程度に火が入ったら奥から手前に巻いていく。
5,卵を奥に移動させ、空いたスペースに再び卵液を流し込む。以下卵液がなくなるまで繰り返し。

 

ノビルの辛子酢味噌和え

<材料>大盛り2人分

ノビル・・・・・・・30個ほど(球根と根元に近い葉の部分)

(A)白味噌・・・・・・・50g
(A)酢・・・・・・・・・大さじ2弱
(A)酒・・・・・・・・・大さじ1/2
(A)みりん・・・・・・・大さじ1/2
(A)砂糖・・・・・・・・大さじ1~(味をみて調整)
(A)練り辛子・・・・・・お好みの量

手順

1,酒とみりんを小鍋にあわせ、一度沸かしてアルコール分を飛ぶす(少量なのでレンジでもかまいません)。
2,(A)をボウルにあわせる。
3,(2)にノビルを入れて和える。

 

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