毎週月曜日の朝9時に更新予定だヨ。

【名著から最新まで】日本料理のプロを目指す人が読むべき本9選

キンクマ
おすすめの本を紹介しちゃうヨ。
日本料理のプロになるためには、実際に体を動かして料理をすることだけでなく、本を通じて基礎を固めることも大切です。本には、先人たちの何百年分の貴重な知識や経験、知恵が詰まっています。
しかし日本料理に関する本は多く出版されており、いざ本を買って勉強しようと思っても、どれが自分にあった本なのか迷ってしまいますよね。そこでこの記事では、元料理人でもある筆者が日本料理のプロを目指す人に本当におすすめの本9選をご紹介。ほかにも本を選ぶ際のポイントについても分かりやすくまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

日本料理のプロを目指す人が読むべき本は?

日本料理の基礎を学べる本を読もう

日本料理について書かれた本の中には、見習い向けに書かれたものを始め、何年、何十年と現場で活躍してきたプロのために書かれたものもあります。プロのために書かれた本は、あらゆる仕事を覚えていることが前提で話が進むため、見習いが読むにはあまりに難易度が高いです。

まずは、本のタイトルに「基礎」や「基本」といったワードが含まれる本を読むことをおすすめします。本を通じて基礎的な仕事を幅広く知ることで、実際の現場に立った時に、先輩から与えられた仕事をイメージしやすくなるでしょう。

 

キンクマ
料理は基本が大事だネ。

 

盛り付けの知識・技術に関する本を読もう

盛り付けは早い段階から与えられることが多い仕事です。まだ見習いの料理人にとっては、日本料理の醍醐味でもある四季を感じられる食材、料理に触れられる貴重な機会になるでしょう。

一見すると盛り付けはセンスや経験が大事な仕事のように思うかもしれませんが、そういうことはありません。「お頭付きの焼き魚は頭を左に」「平盛りは左上を起点に右下へ流れるように」など、実は昔からのルールに則って、プロの料理人も盛り付けを行っています

また器に関する本を読むことも盛り付けのセンスを磨く方法としてうってつけです。日本料理に使われる器には多くの種類があり、材質や形状はさまざま。それら器の知識を覚えることで、料理の魅力を最大限引き出す器の選択や使い方ができるようになるでしょう。

 

キンクマ
盛り付けや器は奥が深い話だヨ。

 

包丁の知識、研ぎの技術に関する本を読もう

日本料理では薄刃包丁・出刃包丁・柳刃包丁など用途に合わせて、多くの種類の包丁を使います。さらに刃渡りや刃の材質、柄の形状に至るまでバリエーションも豊富。

料理の世界にいれば、いつかは自ら選んで包丁を買う時がやってきます。しかし包丁は高価であり、大事に使用すれば何十年と使えるものなので、なんとなくで選ぶにはあまりに勿体ないです。

包丁の研ぎに関する技術も大切で、適当に研いでいるとせっかくの包丁があっという間に使いものにならなくなります。ほかにも刃を悪くしない正しい使い方や日々の手入れ方法を学ぶために、1冊は包丁に関する本を持っておきたいですね。

 

キンクマ
包丁に関しては先輩に相談するのもイイネ!

 

食材についての知識に関する本を読もう

食材の知識が増えていくと、どんな下処理をすればよいのか、どんな料理が合うのかなど、初めて目にする食材に対しても、その場で対応できるようになります。特に日本料理は旬の食材を多く取り入れるので、現場に立つと初めて見る食材に出会う機会が多く、最初のうちは戸惑うはずです。

また近年では人々の健康志向が高まったことで、日本料理でも栄養を考えた献立を提供する店が増えています。ぜひ食材の栄養素についてまとめられた本にも注目してみてください。

 

キンクマ
日本には面白い食材がいっぱいあるネ。

 

日本料理以外の技術を覚えるための本を読もう

日本料理のプロを目指す場合でも、日本の家庭料理をはじめ、フレンチや中華、製菓などの勉強は必要です。特に最近の日本料理では、他国の調理法や食材を取り入れたものが増えています。

また見習いのうちは、まかない料理を任されることが多く日本料理以外のものを作れると、レパートリーに困らず喜ばれることも。料理の勉強に正解はなく、特に見習いのうちはさまざまなジャンルの料理本を読んでみるのもひとつの手段でしょう。

 

キンクマ
色んな料理を楽しんで覚えよう!

日本料理のプロを目指す人が読むべき本9選

完全理解 日本料理の基礎技術

完全理解 日本料理の基礎技術

レベル ★★★☆☆(見習い)
主な内容 日本料理の仕事全般、盛り付け、包丁の技術など
著者 野崎 洋光
発売日 2004/12/1
価格(税込) 4,620円
ページ数 245ページ

日本料理の仕事に関するあらゆる分野が網羅された名著

「分とく山」の総理長を務める野崎洋光さんが著者。包丁の持ち方や研ぎ方、器や盛り付けに関する基礎的なことから、新人の心構えについても書かれています

ほかにも食材の下処理から始まり、日本料理の特徴でもある煮方、焼き場、揚げ場、八寸場などの部署ごとの仕事、繋がりについても解説。まるで現場で働いているかのような感覚を覚える一冊です。これから日本料理のお店で働こうとする人は要チェック。

 

日本料理 基礎から学ぶ 器と盛り付け

レベル ★★★☆☆(見習い)
主な内容 盛り付け、器など
著者 畑 耕一郎
発売日 2009/1/17
価格(税込) 3,520円
ページ数 171ページ

日本料理の基礎である「盛り付け」「器」について理解を深める

メディアでもお馴染みの辻調理師専門学校の畑耕一郎さんが著者です。盛り付けの基礎である形や型、さらには器の産地や手法などの基礎知識に至るまでを分かりやすく学ぶことができます。

文章だけではイメージしづらい盛り付けの手順も、プロセス写真があることで細かな部分を一目で確認。日本料理をこれから学ぼうと思っている人におすすめです。

 

日本料理の仕事大観 一流の技・知恵・秘伝 上巻

レベル ★★★★★(プロ)
主な内容 日本料理の仕事全般、盛り付け、器など
著者 榎園 豊治
発売日 2020/10/28
価格(税込) 4,180円
ページ数 663ページ

見習いからベテランまで一度は読んでおきたい一冊

銀座「六雁」を立ち上げた初代料理長の榎園豊治さんが著書。上巻・下巻を合わせて1,300項を超えるボリュームで、一流の技・知恵・秘伝が公開されています。

上巻の「見習い編」では、洗い物や飲食店では必須の換気扇や排水溝の清掃の仕方、まかない、味の盗み方などについても書かれているので注目です。最初は読んでいて難しいと感じるかもしれませんが、じっくり勉強していきたい人にはうってつけの一冊です。

天ぷらの全仕事 てんぷら近藤の技と味

レベル ★★★★☆(見習い~プロ)
主な内容 天ぷら、食材の仕込みなど
著者 近藤 文夫
発売日 2013/1/17
価格(税込) 4,620円
ページ数 230ページ

一流の天ぷら技術を学びたい人は必見

メディアでも大活躍の東京・銀座の天ぷらの名店「てんぷら近藤」の近藤文夫さんが著書です。なかなか言語化するのが難しい天ぷらのコツを、職人ならではの感覚を交えながら解説

天ぷらの味の決め手となる衣の濃度や適温を見極める目安はもちろん、魚介や野菜の仕込みから揚げるまでのプロセスを写真付きで見られます。一流の天ぷら職人の仕事を覚えたい人は読んでみてください。

 

すしのサイエンス おいしさを作り出す理論と技術が見える

レベル ★★★★☆(見習い~プロ)
主な内容 鮨、食材の仕込み、料理科学など
著者 土田 美登世
発売日 2020/2/13
価格(税込) 4,620円
ページ数 240ページ

鮨を通して料理の理論を学べる一冊

今や世界中で注目されている日本料理の代表でもある鮨。そんな鮨の技術に「科学」で迫ったのがこの一冊です。魚の仕込みや選び方、すし飯の仕込みなど、プロの技術も徹底解説したうえで科学の分野からも多数メスを入れています

ほかにも鮨の握りの動きを連続写真で見せたり、むずかしくなりがちな科学的なデータもカラーを多用した図表を使ったりと、ビジュアル的に分かりやすいのが特徴。鮨を勉強したい人だけでなく、料理の知識をさらに深めたい人にもおすすめです。

 

日本料理のお通し 前菜 酒肴大全

レベル ★★★★★(プロ)
主な内容 レシピなど
著者 大田 忠道
発売日 2022/12/23
価格(税込) 4,180円
ページ数 180ページ

芸術作品のような料理の数々で感性を磨く

多くのメディア出演や「天地の宿 奥の細道」の料理顧問を務める大田忠道さんが著書。日本料理においてお通し・前菜はお酒をすすめるとともに、次から続く料理への期待を高める重要な役割があります。

季節感を感じる食材の選択や調理法、器の選び方、盛り付けなど、日本料理で大事なセンスを磨くのに適した一冊です。レシピに関しては最初は難しいと感じる部分はあると思いますが、完成した料理写真を眺めているだけでも勉強になるでしょう。

実践 料理の味から追求した包丁研ぎの技法 月山義高流 研ぎの理論とテクニック

レベル ★★★★☆(見習い~プロ)
主な内容 包丁の知識、研ぎの技術など
著者 藤原 将志
発売日 2022/3/15
価格(税込) 3,850円
ページ数 159ページ

包丁のすべてがこの一冊に凝縮

月山義高刃物店三代目店主で、プロの料理人からの信頼が厚い研ぎ師の藤原将志さんが著書。砥ぎの理論と手技が網羅され、豊富な図説が特徴です。

鋼材や砥石の種類やその特徴、さらには包丁の種類ごとの研ぎ方についても理論的にまとめられているため、見習いの料理人にとっても納得しやすい内容でしょう。包丁に関する知識と研ぎの技術は料理人にとって必須ですので、ぜひ一度読んでみることをおすすめします。

 

新版 日本食品大事典 第二版

レベル ★★★★☆(見習い~プロ)
主な内容 食材、栄養学など
著者 平 宏和/田島 眞/安井 明美/安井 健
発売日 2022/10/17
価格(税込) 14,300円
ページ数 967ページ

日本で見られる食材のすべてが詰まった大事典

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に対応した食材に関するこの上ない事典です。細部までこだわった2,200点超の写真で、さまざまな食材や細かな品種を分かりやすく紹介しています。

ほかにも肉の部位ごとの栄養素や基礎知識となる用語解説が400項目以上あり、料理を続ける上でずっと使える一冊です。読み物としても面白いので、食材への興味がある人はぜひ読んでみてください。

 

新装版 「こつ」の科学 調理の疑問に答える

レベル ★★★☆☆(見習い)
主な内容 料理科学
著者 杉田 浩一
発売日 2006/11/1
価格(税込) 1,320円
ページ数 287ページ

長年愛される料理のコツに関する名著

趣味で料理をする上では問題ありませんが、プロの料理人であれば知っておかなければならない知識を科学的な目線で解説した本です。「魚や肉を焼くとき、必ず塩をするのはなぜか?」「青菜やサトイモをゆでたあと、冷水で洗うのはなぜ?」など、誰もが一度は抱く素朴な疑問も解説。

科学的な話ではありますが難しい用語や現象はコラムとして詳述され、データやグラフも豊富でわかりやすいです。理論を知っているのと知らないのとでは、料理に対する理解の深さも変わるので、プロ料理人を目指す人は要チェック。

おわりに

いかがだったでしょうか?

読んでみたいと思う本は見つかりましたか?
日本料理のプロになるために現場で経験を積むことも大切ですが、人間誰しも行き詰まる時があります。または独学で勉強している人も、なかなか効率よく上達しないと感じる時があります。

そんな時に料理に関する本を読むことで、先人たちの知恵や技術がたくさん学ぶことができます。特にこの記事で紹介した本はどれも評判が良く、きっと読んでみると道が拓けてくるでしょう。まずは盛り付けや器、包丁に関する基本的なことを覚え、どんどん新しいことに挑戦していってください。

 

キンクマ
料理のお勉強は大変だネ。
キンクマの奥さん
がんばれがんばれ。
あわせて読む

キンクマ 最近の業務用ミキサーはデザインもイイネ。 大量の野菜や果物をペースト状にしてくれる「業務用ミキサー」。家庭用ミキサーに比べてパワーがあり、近年大流行のスムージーやレストランでの大量のスープ作り、病院[…]

あわせて読む

キンクマ 後悔のない冷凍庫を買おう! 多くの食材を扱う飲食店において、大量保存が可能な業務用冷凍庫は必須品です。しかし最近では業務用冷凍庫を販売しているメーカーは多く、サイズや形状、最低温度など、モデルによって様々で[…]

あわせて読む

キンクマ ペティナイフはあると便利だヨ。 小さくて扱いやすいペティナイフは、フルーツや野菜の皮むきをはじめ、切れ味性能のよいものであれば肉や魚も切ることもできます。しかし最近では多くのメーカーから展開されているため、[…]

 

 

お手数ですが、
下のアイコンをポチッと押していただけると
大変励みになります。

にほんブログ村 料理ブログへ
↑↑↑↑ポチッと応援お願いします♪

最新情報をチェックしよう!