製菓・製パン理論について学ぶ理由
失敗の原因がわかる。失敗を減らせる
製菓・製パンの場合はレシピ通りに作っても、生地が上手く膨らまなかったり、きれいに成形できないことがあります。しかし、これらをいざ改善しようと思っても、具体的な失敗の原因がわからず、それどころか何度も同じ失敗を繰り返す羽目になることも。
そこで製菓・製パン理論を知っておくと、普段使っているレシピを読んでいる際に新たな発見や気づきがあり、日頃何気なく行っているすべての工程に意味と目的を見出せます。すると失敗が大きく減り、作業効率が大幅にアップ。理論を学ぶだけで製菓・製パンの腕は劇的にあがります。
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レシピをアレンジできるようになる
料理では味の好みにあわせて醤油や砂糖の量を調整したり、食材の切り方や火の入れ方も自由であることが一般的です。一方で製菓・製パンの世界では、小麦粉の種類ひとつにしても、生地の食感や膨らみは大きく変わり、ほかにも砂糖の量や種類、卵の大きさなど、少しの違いで理想の仕上がりからは程遠いものに。
しかし製菓・製パンの理論をしっかり知っておけば、たとえば「生地をより柔らかくするには?」と考えたときに、どの材料の分量をどれくらい増やせばいいか、また生地の混ぜ方・混ぜ時間をどのように変えるなど、失敗なくアレンジすることが容易になります。とくにアレンジ力はプロには必須の能力なので、できれば一冊は製菓・製パン理論について書かれた本を持っておきましょう。
失敗しない製菓・製パン理論について書かれた本の選び方は?
初心者ならカラー写真の多い本がわかりやすい
製菓・製パン理論は科学の要素が複雑に絡み合っているため、カラー写真や図解が多い本を選ぶことが、とくに初心者にとっては大切です。ほかにも実際のレシピをもとに成功例や失敗例を紹介した本も、イメージが湧きやすいのでおすすめですよ。
一方で製菓・製パンの経験が豊富な人やプロの職人は、より目に見えないミクロな世界を学ぶことができる本に注目しましょう。食材を分子構造で理解することで、新たな発見が生まれてきます。
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本当におすすめの製菓・製パン理論について書かれた本7選
科学でわかるお菓子の「なぜ?」 基本の生地と材料のQ&A231
カラー写真や図解が豊富で初心者をはじめ幅広い層から支持
「お菓子作りをはじめる前に」「お菓子 作り方のなぜ?」「お菓子 材料のなぜ?」の3つのパートに分かれています。共立て・別立てのスポンジ生地、バター生地、タルト生地、チョコレートやクリームなどに関する疑問を科学的観点から徹底解説。ほかにも卵・小麦粉・砂糖といったお菓子作りに欠かせない材料についての「なぜ?」も、この一冊でカバーできるでしょう。
カラー写真・図・グラフが豊富で、お菓子作り初心者の人も視覚的に理解しやすい内容です。レシピの分量や材料を変えることで、仕上がりにどのような変化が生まれるかもわかるようになるので、応用力をつけたいお菓子作り経験者も要チェック。
レベル | ★★★☆☆(初心者~中級) |
著者 | 中山 弘典, 木村 万紀子 |
出版社 | 柴田書店 |
発売日 | 2009/03 |
価格(税込) | 3,850円 |
ページ数 | 311ページ |
レシピ数 | ー |
たけだかおる洋菓子研究室のマニアックレッスン
材料・分量・手順にまつわる「なぜ?」がわかる
厚焼きバターサブレ・フィナンシェ・ジェノワーズ(ショートケーキ)など、具体的な9つのお菓子のレシピを元に製菓理論を学ぶことができる一冊です。「なぜこの材料?」「なぜこの分量?」「なぜこの手順?」といった、お菓子作りをする際に誰もが生じる疑問を解消できます。
本書では、実際に材料の種類・分量や手順を変え、仕上がりの見た目や食感にどのような違いが生まれるのかを具体的に検証。失敗の原因を知りたい人や、レシピをもっと自分なりにアレンジしたい人におすすめです。
レベル | ★★☆☆☆(初心者) |
著者 | たけだ かおる |
出版社 | 河出書房新社 |
発売日 | 2018/04/19 |
価格(税込) | 2,530円 |
ページ数 | 160ページ |
レシピ数 | ー |
新版 お菓子「こつ」の科学 お菓子作りの「なぜ?」に答える
お菓子を科学的視点からわかりやすく解説した大人気シリーズ『「こつ」の科学』
本書はロングセラー『「こつ」の科学 調理の疑問に答える』のお菓子版で、文章・写真・イラスト・図を元にお菓子作りに関する「なぜ」を解消できます。小麦タンパクと水が結合してできる「グルテン」や、泡立てた状態の「生クリーム」といったミクロの世界を顕微鏡写真でも紹介。お菓子を作る際の想像力を掻き立てる内容になっています。
また膨張剤、イースト菌、天然酵母なども詳しく解説されているので、製パン理論を学びたい人も注目。ほかにも単にお菓子作り・パン作りに直接携わる人だけでなく、食品会社の研修などにも役立つ内容です。
レベル | ★★★☆☆(初心者~中級) |
著者 | 河田 昌子 |
出版社 | 柴田書店 |
発売日 | 2012/12/28 |
価格(税込) | 1,980円 |
ページ数 | 300ページ |
レシピ数 | ー |
増補版 パンづくりに困ったら読む本
豊富な製パン理論をもとに上達を目指したい人へ
家庭でのパン作りをステップアップさせるためのテクニックと知識が盛りだくさんの一冊で、プロのパン職人を目指す人にとっても大切な内容となっています。「どうしてこの工程が必要なのか」といった疑問や、「どうしても上手にできない」といった悩みが解消され、パン作りの過程ひとつひとつに対しての理解が深まるでしょう。
全部で3つのパートに分かれていて、最初のパートでは基本の5つパンとそのアレンジを。2つめのパートでは、材料・道具・工程にまつわる知識をQ&A形式で学ぶことができます。さらに最後のパートでは「発酵種法」が紹介されており、パン作りの幅を広げたい人は必見です。
レベル | ★★★☆☆(初心者~中級) |
著者 | 梶原 慶春, 浅田 和宏 |
出版社 | 池田書店 |
発売日 | 2023/03/22 |
価格(税込) | 1,980円 |
ページ数 | 240ページ |
レシピ数 | ー |
パンづくりの失敗と疑問をスッキリ解決する本
パンの種類ごとによくある失敗や上手に焼けるコツを学べる
「生地が思うように膨らまない」「きれいな形に成形できない」といった、普段のパン作りでよくある失敗や疑問を豊富な写真で詳しく解説。食パン・バターロール・フランスパンなど、パンの種類ごとに失敗の解決策を学べるのはうれしいポイントです。
またパン作りには欠かせない材料や道具の特徴に関しても、写真と図解を用いて初心者にもわかりやすく説明されています。お家で今より美味しいパンを作りたい人は注目です。
レベル | ★★☆☆☆(初心者) |
著者 | 坂本 りか |
出版社 | ナツメ社 |
発売日 | 2017/07/10 |
価格(税込) | 1,760円 |
ページ数 | 224ページ |
レシピ数 | ー |
パン「こつ」の科学 パン作りの疑問に答える
科学が苦手でも大丈夫!毎日のパン作りで生じる疑問を解決
パン作りで使われる材料・製法・工程をはじめ、パンにまつわるさまざまな雑学を一問一答形式で展開し、パン作り初心者の知識の幅を大きく広げてくれます。カラー写真はありませんが、イラストや写真は随所にあるので安心です。
「直ごね法」「中種法」「発酵種法」といった基本工程の解説も充実しており、手ごねでミキシングする工程も写真付きなので、生地の状態もよくわかります。パン作りの理論や雑学を徹底して頭に入れたい人におすすめです。
レベル | ★★★☆☆(初心者~中級) |
著者 | 吉野 精一 |
出版社 | 柴田書店 |
発売日 | 1993/07 |
価格(税込) | 1,760円 |
ページ数 | 222ページ |
レシピ数 | ー |
新しい製パン基礎知識 再改定版
プロのパン職人こそ必須のパンの教科書
原材料や製パン法についてわかりやすくまとめられた一冊です。主に文章での説明がメインとなりますが、重要なポイントではコラムを使っての解説があり、理解しやすい内容となっています。
業務用のマシンを使った製法をはじめ、原価計算・カロリー&栄養計算や焼成率計算など、プロにはありがたい内容も盛りだくさん。本格的に製パン理論を学びたい人や、プロのパン職人および経営者は見逃せません。
レベル | ★★★★★(上級、プロ) |
著者 | 竹谷光司 |
出版社 | 地方・小出版流通センター |
発売日 | 2009/09 |
価格(税込) | 1,980円 |
ページ数 | 281ページ |
レシピ数 | ー |
おわりに
製菓・製パン理論について書かれた本はさまざまありますが、カラー写真や図解が多いものが初心者にはイメージがしやすくおすすめです。一方でプロを目指す人やプロの職人にとっては、科学的視点から材料の特性や工程の意味を分析した本が、さらなる上達にもつながります。
普段はレシピ本でひたすらお菓子やパンを作っている人も、ぜひたまには立ち止まって基礎となる理論の部分を勉強してみてください。きっと今よりもっと美しくて美味しいお菓子やパンが作れるようになるはずです。
・製菓・製パン理論を学ぶことが上達への近道!
・初心者はカラー写真や図解が多い本を選ぶべし!
・科学が苦手な人もほとんどの本はわかりやすいから安心!
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