低温調理でローストビーフを作ろう!
「ローストビーフ」はなかなか理想の仕上がりになりませんよね。生焼けが怖いからといって、逆に火を入れ過ぎて固くなるのはよくある話です。
そこで今回は低温調理機を使ったローストビーフの作り方をご紹介。低温調理機を正しく使えば、安全で美味しいローストビーフが簡単に作れてしまいます。この記事では、低温料理の仕組みや危険性についても詳しくまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
・塩の量はお肉の重さの1%!
・お肉の厚さで加熱時間を決めよう!
・低温調理の基礎を覚えよう!
・赤ワインソースの作り方を覚えよう!
そもそも低温調理とは?
低い温度帯でじっくり食材に火を入れる
低温調理とは、主に湯せんやオーブンで50~70℃の温度帯をキープしつつ、徐々に食材に火を入れていく調理法です。専用の低温調理器を使えば保温やタイマーの機能があるため、最初に温度と湯せんする時間さえ入力すれば、あとは勝手に機械が調理してくれます。アイリスオーヤマやブルーノなどの有名ブランド・メーカーから低温調理器は発売されているので、興味ある人は要チェックです。
低温調理と相性がいい料理は?
低温調理は、食材をレア状態に仕上げる料理との相性が抜群です。本記事で紹介しているローストビーフをはじめ、豚のレアチャーシュー・鶏ハム・コンフィなどが挙げられます。
お肉やお魚以外にもじっくり火を使わず加熱ができるため、低温調理器を使えばスープも長時間煮込むことが可能。ほかにも火加減が難しい温泉卵やプリンやコンポートといったスイーツ作りにもおすすめですよ。
低温調理器を使うメリット・デメリットは?
低温調理器を使う主なメリット
食材がしっとり柔らかく仕上がる
通常は加熱することでたんぱく質が固まりますが、低温調理はたんぱく質が固まらない温度帯で調理するため食材が固くなりません。また低温調理は密閉された状態で調理するため、水分が抜けることなくジューシーに仕上がります。
火を使わないので安心・安全
低温調理器をたっぷりの水を張った鍋に装着すれば、低温調理器が設定した温度まで自動で水温を上げ、さらに保温もしてくれます。食材は空気を抜いたジッパーつきの保存袋に調味料とともに入れ、それを温まった湯のなかに入れるだけで低温調理がスタートです。
タイマーも設定できるので、調理が完了したら音で知らせてくれます。火を使った料理と違い火加減の調整や焦げ付きの心配などもいらないため、低温調理中にほかの料理や家事が行えるので慣れると楽しい調理法ですよ。
低温調理器を使う主なデメリット
時間がかかる
低温調理では食材の中心温度が上がるまでの時間がかかるため、当然ながら調理時間は何時間もかかります。低温調理は、時間がたっぷりあるときに楽しみましょう。
使い方を間違えると食中毒のリスクが
低温調理器は使い方を間違えたり、加熱温度・時間が不十分であると、食中毒のリスクが生じます。まずは購入した低温調理器の説明書をじっくり読んで、間違いのないよう実践してください。
食中毒菌を死滅させる温度と時間の考え方
多くの細菌やウイルスは、75℃以上で1分間加熱することで死滅します。食中毒菌の場合は55℃で死滅されるとされるため、低温調理する場合は少し多めに見積もって57℃以上で行うことが大切です。
ここで正しく理解しなければいけないポイントは、必ずお肉の中心温度が57℃に達した状態を長時間キープしなければいけないということです。一瞬だけ中心温度が57℃に到達したとしても食中毒菌は死滅しません。
つまり低温調理は、「お肉の中心温度が設定温度に達するまでの時間」+「菌が完全に死滅するまでの時間」が必要なため、2~5時間ほどの加熱時間を要するのです。また厚生労働省は調理した豚肉を販売する場合は、「豚の食肉の中心温度を63℃で30分以上加熱」するか、「これと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならない」と定めていることも覚えておいてください。
お料理開始 Let’s Cooking!!
お肉の重さの1%の塩を用意する
ここからは衛生面に気を付けて、調理用手袋を装着してください。常温に戻しておいた牛ももに塩を塗っていきます(夏場なら30分、冬場なら2時間)。
ほとんどの料理で、塩の量はお肉の重さの1%といわれています。今回は400gの牛ももを使用するので、4gの塩を用意しました。
ペーパーで水気を拭きとった牛もも全体に塩を塗します。同様に胡椒も適量塗してください。
食品保存袋のなかの空気を抜く
ジッパーつきの食品保存袋に牛ももを入れ、たっぷりの水を張ったボウルのなかに入れて封をします。水圧の効果で保存袋のなかの空気を抜くことができます。空気が入っていると、低温調理の際、ぷかぷかと浮いてきてしまうので注意しましょう。
低温調理スタート
お肉の厚さはいちばん分厚いところで約4.5センチでした。ローストビーフの加熱時間は、お肉の重さではなく分厚さで決めるようにしましょう。今回は57.5℃で3時間40分加熱します。
低温調理後に冷やす
タイマーがなったら冷水に落とし、10分待ちます。こうすることで、溢れた肉汁が多少お肉のなかに戻っていくのでジューシーになります。
お肉全体に焼き色をつける
オリーブオイルを引いて強火で熱したフライパンで、ローストビーフ全体を焼いていきます。焼き過ぎたら低温調理した意味がないので、ある程度焼き目がついたら大丈夫です。
赤ワインソースを作る
赤ワインソースを作っていきます。赤ワインを鍋に入れ、1/3程度になるまで煮詰めていきます。最初は強火でもかまいませんが、段々と焦げやすくなるので火加減は弱中火に落としましょう。
ソースの仕上げはバター
中濃ソース・ウスターソース・ケチャップ・砂糖・はちみつ・にんにくすりおろしを加え、さらに3分ほど火にかけて味を馴染ませます。仕上げにバターを入れたら、少し火を強めて全体をしっかり混ぜます。バターが完全にソースに馴染んだら完成です。
ローストビーフの切り方
ローストビーフを切るときは、よく切れる包丁を使い、包丁を前後に細かく動かしながら切ります。垂直方向に力は入れず、包丁の重さと切れ味のみで切るイメージです。お店で提供されるローストビーフの厚さは3~4ミリが一般的ですが、筆者は分厚いローストビーフが好きなので5ミリ程度で切っています。
完成 It’s ready to eat!!
家で作るローストビーフは、たくさん食べられるので幸せですよね。
それでは早速食べてみましょう!
モグモグモグ……
やっぱり柔らかくて、噛めば噛むほど口のなかで旨味がいっぱい広がってきます。それに甘くてコクのある赤ワインソースが素晴らしくマッチしますね。この組み合わせは、いくら食べても飽きがきません。
低温料理は正しいやり方ですれば料理の幅が大きく広がりますし、とくにローストビーフは失敗なく作れるのでおすすめです。低温調理機は意外に安い値段で購入できるので、まだご家庭に低温調理機がない人も、ぜひ購入してローストビーフにチャレンジしてみてください。
レシピ Recipe!!
<材料>2人分
牛もも・・・・・・・400g(厚さ約4.5センチ)
オリーブオイル・・・大さじ1強
(A)塩・・・・・・・・・4g(お肉の重さの1%)
(A)胡椒・・・・・・・・適量
赤ワイン・・・・・・300ml
(B)中濃ソース・・・・・大さじ2
(B)ウスターソース・・・大さじ1
(B)ケチャップ・・・・・大さじ1弱
(B)砂糖・・・・・・・・大さじ1
(B)はちみつ・・・・・・大さじ1
(B)にんにく・・・・・・1/2かけ(すりおろし)
バター・・・・・・・20g
下準備など
- 牛ももは常温に戻しておきます。夏場なら30分、冬場なら2時間です。バットの上にお肉を置いて、ラップを被せて放置しましょう。
- お肉を触る際は、調理用ビニル手袋を装着してください。
手順
1,常温に戻した牛ももに、塩と胡椒を塗りこむ。
2,ジッパーつきの保存袋に(1)を入れ、水を張ったボウルのなかでフタをして空気を抜く。
3,57.5℃で3時間40分低温調理する。
4,ジッパーつき保存袋ごと冷水に落とし、10分放置する。
5,オリーブオイルを引いたフライパンを強火で熱し、ローストビーフ全体に焼き色をつける。
6,鍋に赤ワインを入れ、強火で沸かす。沸いたら火力を落とし、1/3程度まで煮詰める。
7,(B)を加えて3分ほど煮込み、味を馴染ませる。
8,バターを加えて少し火力をあげ、全体をしっかり混ぜながらバターを溶かす。
9,ローストビーフを3~4ミリ幅で切り、皿に盛り付けたら(8)のソースをかける。
お手数ですが、
下のアイコンをポチッと押していただけると
大変励みになります。
「西洋」のお勧めレシピ
キンクマ 実はとっても簡単に作れるヨ。 お店や市販のレバーペーストにも負けない究極のレシピをご紹介! 濃厚でなめらかな「レバーペースト」は、焼いたバゲットとの相性が抜群です。おしゃれなお店でよく見かける[…]
キンクマ コーンスープを飲んで体を温めよう! コーン缶でも極上スープは簡単に作れる! 寒い時期に食卓に並ぶと嬉しい料理のひとつといえば、「コーンスープ」ですよね。甘くて濃厚で、コーンのぷちぷちとした食感[…]
キンクマ このレシピは永久保存版だヨ。 お店の味に負けない本格ミートソースの作り方とは? 今回は、子どもから大人までみんな大好きな「ミートソースパスタ」を作ってみようと思います。最近では市販のミートソー[…]