あら炊きは魚の旨味をしっかり味わえる
今回は、鯛のあらを使って「あら炊き」を作ります!
慣れていないと手を出しづらい食材だと思いますので、基本から丁寧に解説していきたいと思います。
「魚のあら」って何ですか?
魚をおろした後に残る、頭や中骨、腹骨など、それらに付着した肉のことです。
これって、魚種や魚のおろし方で余る部分が変わりますから、「魚のあら」と一言で言っても、種類や形は様々です。
(例えば、高級魚クエなんかはエラも食べますし、フグなんかはヒレ酒ってありますよね)
「魚のあら」は、箇所によっては、通常食べている部分より栄養素が豊富だったり出汁が多く出るので、本当に有り難い食材です。
また、安く買うことが出来るのも魅力の一つでしょう。
(ちなみに今回の鯛のあらは、二匹分で税込198円でした)
(オマケの話ですが、アラと言う名の魚と混同しないよう気を付けてくださいね。)
そして今回使うのが、一般的にスーパーでもよく見かける鯛のあらなのです。
鯛のあらを使ってあら炊きを作っていきますが、先ず全ての魚のあらを使った料理で共通して行わないといけない工程があります。
それを霜降りと言います。
お料理開始 Let’s Cooking!!
霜降りとは、調理前の肉や魚に熱湯をかけ、その表面にある臭みやぬめりを取り除くことを言います。
特に魚なんかは、ご存じの通り、臭みがありますし、ぬめりもあります。
しかも、肉とは違ってウロコが魚にはありますからね。
先ずは、魚の頭から観察してみましょう。
特に、青い丸で囲んだ部分は、ウロコが付いている可能性が高いです。
よく見て、触って、確かめてみてください。
エラ蓋は手を切るので絶対に素手で触らない。
胸ビレ、腹ヒレの後ろなんかには、ウロコの他にも汚れが溜まっているので要注意です。
頭をひっくり返してみました。
血合いがびっしり付いています。
血合いだけでなく、エラが残っている場合もありますので、もしあれば後程取り除きましょう。
大きな鍋で、お湯を沸かします。
あら全体に塩を塗し、ボウルに並べ入れます。
10分ほど置きましょう。
お湯の温度は70~80℃!
温度がこれ以上低いと、臭みは取れませんし、高いと皮が破れてボロボロになります。
(ちなみに今回、温度が高すぎてしまいました)
お湯をボウルに流し込んだら、菜箸で上の方のあらを持ち上げ、ボウルの下の方のあらにもお湯がしっかり当たるようにします。
身が薄っすらと白くなったら、お湯を捨てて流水に晒します。
そしたら、あらを一つ一つ丁寧に掃除していきます。
臭みは既にお湯で和らいでいますから、後は、ウロコと血合いが問題となります。
血合いは手で取り除くことは簡単ですが、ウロコは手を使わず、ステーキナイフを使って取り除くことを推奨します。
先ほども申しましたが、エラ蓋で手を切りかねません。
「食べやすさ」は、「美味しさ」に繋がる!
どれだけ美味しい味付けにしようが、口に入れてウロコがジャリジャリだったら台無しです。
面倒に感じるかもしれませんが頑張りましょう!
さてさてあらが綺麗になったら、鍋にそれらを敷き詰めます。
僕は鍋の底に中骨など、その上に頭を並べます。
と、頭を上に入れる理由は諸説ありますが、ただ何となく頭を上に並べていた方が仕事が綺麗に見えるので僕は頭を上に並べています(笑)
これから魚臭さを完全に消し、柔らかく仕上げていきます。
生姜をこれぐらい用意しました。
水、酒、みりん、砂糖、生姜が最初です。
初めて聞く人はびっくりするかもしれませんが、酒の量は水と同量です。
(今回は水2カップ、酒2カップでした。あらがひたひたに浸かる水の量で行います。)
ちなみに、まだ醤油は入れません。
ここで、「料理のさしすせそ」の話です。
し 塩
す 酢
せ 醤油(無理やり過ぎる)
そ 味噌
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
これは、日本料理においての調味料を入れる順番を示しています。
つまり、醤油は砂糖よりも後!
大事なのはその理由ですが、砂糖は大きい分子だからです。
(化学的な話です。)
もし先に醤油が身に染み込んだら、大きい砂糖分子が後から入り込めません。
それが理由です。
だから先ずは、甘みをしっかり入れることが大事です!
ぐつぐつ沸いてくる直前ぐらいから、アクが浮いてきます。
身を崩さないよう、丁寧に取り除いてください。
丁寧と言えど、ほぼ無限に細かいアクは出続けますので、あくまでも大きいアクの塊が出なくなれば十分です。
アクを取ったぐらいのタイミングで、濃口醤油を入れます。
濃口醤油は、水分量の1割前後が丁度良い量です。
ですので今回は、水2カップ+酒2カップ=4カップ(800cc)⇒濃口醤油80cc使います!
(普段は、あら炊きは目分量で作っていますが今回は記事の為に計りました。)
ハイ、そして!
濃口醤油だけでなく、更に刺身醤油を入れます。(30cc)
(本当は、たまり醤油を入れるべきなのですが中々一般家庭にはありません。)
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これで単調な味になることはなく、味に深みが生まれます。
落し蓋をして、ひたすら炊きます!
ちょっと煮詰まってきたら、
お玉を使って照りを乗せましょう。
完成 It’s ready to eat!!
丁寧に作った甲斐があって、美味しく仕上がりました。
身はふわふわで、程よい甘み!
確かに簡単ではありませんが、本当に美味しいのでぜひみなさんチャレンジしてみてください!
レシピ
<材料>4人分
鯛あら・・・・・・・2匹分
(A)水・・・・・・・・・2カップ
(A)酒・・・・・・・・・2カップ
(A)生姜・・・・・・・・2かけ(スライス)
(A)みりん・・・・・・・80cc
(A)砂糖・・・・・・・・90g
(B)濃口醤油・・・・・・80cc
(B)刺身醤油・・・・・・30cc
1.鍋で湯を沸かし、霜降りする。
2.1で、あらの掃除が終わったら、それを鍋に並べ、(A)を入れて火にかける。
3.アクが浮いてきたら、丁寧に取り除く。
4.アクが落ち着いてきたら、(B)を入れ、落し蓋をする。
5.少し煮詰まってきたら、お玉を使ってあらに照りを乗せ、完成。
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